ムネモシュネ

記憶とはこんなにも不死

祈りについて

私は少し祈っている。無事に終わりますように、何も変わりませんように、できればよい方向へ進みますようにと。
祈りとは、変えようのない現実を、少しでも心安く受け入れるための行為なのだ。

私が幸せという贅沢を願ってしまっているときに涙が出るのは、結果が、結果に期待してしまっていることが、自制しがたいほど怖いからだ。
期待と祈りの違いとは、期待は恐怖を呼び起こすが、祈りは穏やかなあきらめを呼ぶということだ。

希望も絶望も与えられたものではない。
私は魯迅の「故郷」を知っている。